
第22回七間町寄席にご来場頂きました皆様、誠にありがとうございました。
古典の桂文治師匠と新作の弁財亭和泉師匠、そして若さほとばしる桂空治さんによる高座は三者三様の落語が披露されて、たっぷり楽しむことができたのではないでしょうか。
文治師匠の一席目は、45分の熱演となった「源平盛衰記」。古典落語の王道ながら、脇道にあちらこちらに逸れまくりながら観客の笑いを大いに誘うと、ぐぃーっと本編を引き込む変幻自在の話術に、度肝を抜かれながら、江戸落語の真髄を感じさせて頂きました。本当に素晴らしいの一言です。静岡でこのような「落語」を味わえることに感謝せずにはいられませんでした。トリの2席目は「親子酒」です。これまた落語の醍醐味にあふれた高座となりました。落語は話術だけではなく、顔芸などその振る舞いによって、魅力が増大されます。文治師匠の技に感心するばかり。どうみても本当に酔っているとしか思えないその姿は、落語の奥深さを私たちに再認識させてくれます。本当に落語って面白い!会場の皆さんも全員そう感じたに違いありません。

弁財亭和泉師匠は、東京から新幹線で向かうときに、本当は「ひかり」に乗車するところを間違えて「のぞみ」に乗車してしまい、慌てて新横浜で乗り換えたことをまくらで笑いに変えながら、新作「謎の親戚」を披露。たまにしか会わない親戚のあるある話は、女性の共感を誘うようで、スタッフの女性陣からシンパシーを得ていました。新作と区別する必要もないような、まさに「落語」を楽しませて頂きました。
空治さんは、前職の車のセールスマンだったことを感じさせる「反対俥」を好演。上野駅から郡山までの道中は、お約束に何度もジャンプしての熱演。そういえば、開演前のマイクチェックのときに入念に高座の下を覗き込んで、構造の確認していたのは、このためだったのかと膝を打ったのはナイショの話です。笑)二つ目とはいえ、堂に入った噺ぶりはこの先の活躍を予感させて十分でした。

七間町寄席は、200席ほどセッティングすると会場が狭く感じるほどの会場なので、1000人以上座席があるホール落語とは違うリアルなライブ感があります。また番組通りに進まずに(この日もそうでしたが)1席目から45分たっぷり披露することは大きなホールでの落語会ではまずありえないでしょう。決まった時間できっちり終わることが求められるはずです。しかし、七間町寄席は、スケジュールはあるにせよ、その時のお客様の反応を見つつ、お師匠たちが状況に対応していきます。まさにお客様とのキャッチボールが繰り広げられているといえるでしょう。それにより、会場が熱を帯びていくのだと思います。落語というライブな話芸を堪能できるのが、このサイズの良さなのでしょう。今回もそう感じられました。
さて、足掛け8年、基本的に年3回開催し、これまで22回の落語会を開催してきました。今年度はこれで終了です。来年度は、少し開催ペースを落として1回のみの開催とさせて頂きます。毎回楽しみにして頂く皆様には大変申し訳ございませんが、また回数を増やせるように充電期間となることにご理解頂ければ幸いです。次回開催に付きましては、追ってお知らせさせて頂きます。引き続き、ご贔屓いただけますようお願い申し上げます。
それでは、また七間町でお会いしましょう。