好評のうちに終了した第一回七間町寄席の勢いそのままに、スピンオフを企画しました!
第一弾は、落語界の問題作『御乱心』の初版から30年以上の歳月を経て、今年の春に文庫化されたことを受け、我が七間町寄席(ななよせを楽しむ会)でも関連する噺家さんの一席をもうけ、歓談を交えつつ、落語のルーツをたどる読書会をしてみませんか、という企画になりました。
『師匠、ご乱心!』 とは
昭和53年、落語協会分裂騒動という東京演芸界の歴史に残る大きな出来事があり、六代目三遊亭円生一門は落語協会を脱退、翌年円生没後に落語協会に戻った弟子と、戻らず独自の活動を始めた五代目円楽一門という別々の道を歩むこととなりました。
その後、落語協会に戻った三遊亭円丈が昭和61年に、内部から見た騒動の経緯を『御乱心』として書籍化。演芸界に再び衝撃が走りました。
それから30年以上…昭和から平成の時を経て、禁断の書とされていた(?)『御乱心』が『師匠、御乱心!(小学館文庫)』として、今春復刊されました。
三遊亭若手二人会
ななよせスピンオフの第一部は、若手二ツ目お二人による落語の競演でした。
同じ円生一門の芸のルーツを持ちながら、落語協会と五代目円楽一門会と異なる道をゆく若手二ツ目の噺家2名にお越しいただきました。
ボリュームたっぷり、80分超の競演!
今回の若手会は普段の寄席とは違い、それぞれ40分以上の大作をたっぷりと語っていただきました。
全国で様々な落語の席がありますが、上記分裂騒動後の影響もあるのか、この組み合わせは中々観られないと思います。
まずは楽八さんから。
誇り高い武士の生きざまを主題にした「柳田格之進」が、楽八さんに乗り移ったかのような迫力でみっちりと。
続いて、わん丈さん。
古典落語の中でも、吉原を舞台にした「お見立て」。ハイテンションにチューンアップした滑稽噺を楽しく聴かせていただきました。
分裂騒動から今へ。
30年以上前の分裂騒動以降を、わん丈さん・楽八さんの目から見た視点でトークをお願いしました。
師匠は別々の道を歩きながらも、お二人は仲良し。
内容も、おふたりの入門のきっかけから師匠との関係や育て方の違い、師匠同士が実はお互いをどう思っているかなどのお話も…ちらっ、と盛り上がりました。
お二人ともありがとうございました。
また是非静岡にいらしてください!
『師匠、ご乱心!』読書会
第二部は、有志での「師匠、御乱心!」読書会。
半ば歴史上の出来事となった落語協会分裂騒動。その時に働いていた方からまだ生まれていない人まで幅広い年齢層の落語ファンが、この本についての感想、騒動へのそれぞれの思いなどを語り合いました。
ななよせ初のスピンオフ&トーク、運営など至らぬ点もあったかと思いますが、楽しい集まりになりました。
ご参加いただいた皆さま、どうもありがとうございました!